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■ テクニカルパンの思い出

「他にも水素増感などに使われた超微粒子フィルムテクニカルパン2415。当時、あまりに微粒子な故に、
解像度は35mmでもシノゴに匹敵するとまで言われた。実際ルーペで覗いても粒子は見えず、
レンズの性能を100%出してくれた。
このフィルムでの撮影時に、フィルム上に小さな小さなダニらしきものが乗っていたらしく、
ベタ焼き状態のその姿をルーペで観察すると、足の産毛?の一本一本までがクッキリと写っていた事は良い思い出(笑)」

テクニカルパンでググっていたら、どなたかのblogに遭遇し、「ああそうなんだよな、判っていらっしゃるなぁ。」
感心するやら懐かしいやらで。

私は何を隠そうテクニカルパンの信奉者で、これでプリントを作ると、まさに上記にあるように、135で4X5に匹敵して
120であるならば8X10に匹敵する画質にめろめろだった。極超微粒子であるために、上の方がおっしゃるように
イーゼルの上で見るフォーカシングスコープは通常は粒子が見えたら、その粒子がきっちり見えるように
ピントを調節していくわけだが、テクパンでは粒子は殆ど見あたらず、その画像!で調節することになる。
つまりフィルムを現像しても粒子が出てこないわけである。
それ故学術的な使用用途が多かったと聞く。
そんなこんなで、テクパン馬鹿である私は、テクパンを使い続けていたわけである。ISO25相当のfilmである
テクパンをISO8ほどに減感して夜景などを撮っていたため、三脚はマストだった。
当然露光時間は何十秒となり、車などが来たときはシャッターは開いたままで、手ねどでレンズに遮光して
撮影をしていたのは良い思い出である。

さて、ここからが本題。
ネットの世界ではあたりまえのようだけれども、このテクパンで検索して下さったかがいて、コメントを残された。
曰く、お父上が愛用されていたテクパンが冷蔵庫に眠っているが、もし誰かテクパンに詳しい人がいるのなら
これを、利用してもらえないかというお申し出であった。
当然のことながら一も二もなくお譲り頂いたわけだが、びっくりしたことにこれに加えること、専用現像液の
テクにドールも付いてきて、さらには私もその存在を知らなかった、テクパン135の150ftロールフィルムも
頂いた。これはfilm交換可能なパトローネに必要な長さだけ巻いて、たとえば36枚撮りにして使うものだ。

はてさて、専用現像液が少ないため、この大量のfilmを今後どうやって現像するかだ。
テクパンはfilmラボでも現像してくれない特殊film故、何とか現像液を探さなくてはいけない楽しみが増えた。
薬品をかってきてPOTA現像液を作るか(これは現像方法、攪拌方法が判らない)
アグファのロジナールを50:1希釈でというところまでは判っているが、ロジナール自体が入手困難で
さらに、50:1希釈の先の攪拌方法が不明である。
テク二ドールは通常では考えられない、バーテンダーのカクテルのように非常に激しい攪拌が必要だが
その他の現像液ではどうすべきか、今や資料が少なくなりつつある。
ということで、しばらくは忙しくなりそうな予感がする。

■ テクニカルパンの思い出_a0122913_21392315.jpg

by sa55z | 2013-10-06 21:40 | 写真
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