年末には「このミス」のベストテンが店頭に並んでいた。
そんな中に米澤穂信の「リカーシブル」が目に付いた。好きな作家だ。
キャッシャーに持って行こうとして、良くあることだが、「あれーこれうちの本棚で見た気がするぞ・・・・。」
果たして、ずいぶん前に買った本と一緒にこの本はうちにあった。
で、最近読み始めた。
ミステリーとあるが半ばまで読んで、怪しい町の雰囲気はあるものの、殺人も謎解きも起こらない。
どちらかと言えばライト家庭内SFとでも言う物だろうか、中学一年女子の語り口で物語は進む。
何となく悲しい文章で、軽ーい謎がちりばめられて、半ばでこれ以上ページが減るのがもったいなくて
読むのを中止した。あまりに語り口が軽いのでページはどんどん進む。
どうも未来視が関係しているようだ。なんか重要な事を、大事な伏線を読み落としてないだろうか。
そんな事もあり、本が終わってしまうのも嫌だから、また始めから、今度は一字一句を噛みしめながら
再読を始めた。
「ボトルネック」もそうだったけれど、彼の軽妙な悲しげだけれど奥がある、そんな世界観が大好きだ。
いつまでも終わらなければいい。
リカーシブル。この単語の意味が、このストーリーのどこに織り込まれているのだろう。