■ ノートン博士

街を車で流していると、バイク屋とおぼしき店の中に、あら懐かしいノートンが3台。
いくらで売っているんだろうと、覗きに行ってみてビックリ。
売り物じゃないんだって。店じゃないんだって。店舗状の趣味の部屋なんだって。
で、話を聞いてますますビックリ。
このオーナーは本業の水中ビデオ撮影業を引退したあと、人間何か趣味が必要だと言うことで、ノートンのレストアを始めたそうな。
一台仕上げるのに7年!3台で21年。そうだよね、私が乗っていた頃は遙か昔だもの。
そしてなんとフレームとエンジン外側以外は全部、彼の図面に依るオリジナル。ピストンは無垢のアルミからの削りだし。ピストンピンも特注。さすがにリングは純正品だろう。
図面を書いて、アメリカのパーツ屋に作らせたそうだ。(何でUKじゃないんだろ)
そして、その研究開発の克明な記録も見せていただいた。オリジナルと独自開発パーツの比較記録など。
よくもまあ、飛び込みの野次馬に克明に説明してくれたものだ。
もちろん改造費は1千万を優に超えているとの事。
こんな人、本国UKにもいないんじゃないかな?

美しいエンジンに特別改造のケーヒンUSのキャブ。
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3台のうちの台。カフェレーサー風な仕上げ。
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ミッションは別体型で右!足チェンジ。ノートンの特徴だよね。
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利かなかったブレーキ
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当時は垢抜けていたデザインのスッキリとしたメーター。もちろん振動で読めなかったが
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とにかく乗りにくく、よく壊れたいわゆるイギリス工業製品の代表のような品質。
しかしその設計思想は特徴的で、例えばリアのスイングアームはフレームではなくエンジンに!アルミのプレートで直づけ。多大な大振りな振動も80Kmを過ぎると、中に浮いたようにすーっと無くなる不思議なアイソラティックフレーム。
アクセルを開けると雷の如き大爆音(無改造の純正マフラーで)、アクセルを閉じれば、無音で吸気音のみ。
振動で一切像が分からないバックミラー。すくに切れなくなる乾式単板クラッチ。そしてすぐに切れるUK製クラッチケーブル(いつも2本は持って乗っていた)
ま、とんでもないバイクだったが、一番愛したバイクでもあった。生涯一台バイクを選ぶとしたら、私は迷うことなくノートンを筆頭にあげる。この設計思想のまま、ドイツか日本で作られていたなら、すばらしいものが出来ていたに違いない。
さて、今度は彼のポートレートでも撮らせていただこう。

しかしこんな記事があると、そそられるなぁ。
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by sa55z | 2011-12-14 22:18 | バイク
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